こんにちは、前回に続いて、第2部。今回は「具体的なレジュメの書き方」についてです。
海外式の履歴書について、基本事項は第1部で説明しました。まだご覧になっていない方は、まずはこちらから読むことをおすすめめします!
さて、海外での仕事探しにおいて、最も重要なものの1つのがレジュメやCV(履歴書)です。
これらの書類がしっかりしているかどうかで、面接へ進むことができ、面接がうまくいけば、待望の海外での仕事まであと少しです!
海外の履歴書は、日本の履歴書とは異なり、独自のルールや文化があります。「何を盛り込むべきか?」「何を省くべきか?」迷う方も多いでしょう。
この記事では、必要な項目と不要な項目を分かりやすく解説し、さらに採用担当者に響くレジュメ/CVを作成するためのポイントをご紹介します。
海外での仕事探しをスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてみてください!
- レジュメ/CVに載せるべき内容
- レジュメ/CVを書く時のポイント、注意点
- レジュメ/CV上のセクション別詳しい書き方
レジュメ、CVに必要な項目と不要な項目
まず簡単にレジュメ/CVにおいて、必要な項目と、必要のない項目は一般的に以下の通りです。
◎必須項目
- 名前(フルネーム)
- 連絡先(電話番号、メールアドレス等)
- 自己PR(3〜5行程度の短い文で自分の強みをアピール)
- 職務経歴(最新のものから順に、職務内容を簡潔に記載。具体的な数字を使って成果を強調すると◎)
- スキル(応募職種に関連するスキルを強調)
これらの詳細な書き方について、この記事内で紹介しています!
✖️不要な項目
- 写真
- 生年月日
- 性別
- 詳細な住所
- 中学以前の学歴
また、読みやすさが重視されるため、過剰な装飾や複雑なフォーマットは避け、見やすく整理されたレイアウトを心がけましょう。
そのほか、レジュメ/CV内に余白がある場合を以下の情報などを付け足すといいでしょう!
- Language(話せる言語)
- Availability(働ける日時)
- Certifications(持っている資格等)
今すぐ使える!レジュメ、CVのテンプレート
海外で使えるレジュメのテンプレートを活用すれば、初心者でも短時間で質の高いものが作れます。
- Google Docs : 無料で使えるレジュメテンプレートを複数提供。シンプルで使いやすいデザインが特徴。
- Canva : 視覚的に優れたテンプレートが多く、デザイン性を重視する人におすすめ。
テンプレートを利用する場合でも、もちろんしっかり自分の情報に合わせてカスタマイズしましょう。
Google Docs のテンプレートを使ったレジュメの一例

Canva のテンプレートを使ったレジュメの一例

今回はシンプルなテンプレートの例を載せました。
繰り返しますが、整理されていて読みやすいものいわゆる”スキャミング”のしやすいものにするよう心がけましょう。
レジュメ/CVを書く時のポイント・注意点
とにかく”見やすく”濃い内容に
レジュメで大事なのは、デザイン性よりも内容の分かりやすさです。
おしゃれなフォントや装飾も大事ですが、シンプルでもパッと見て必要な情報が伝わる方が好印象です。
特に職歴は、「具体的で中身の濃い内容」にするのがポイントです。
採用担当者に「この人いいな」と思ってもらうために、見やすさを優先しましょう!
レジュメ・CV上の文章は、「一人称なしの過去形で!」
レジュメを書く際、注意すべきルールの一つが「一人称を使わず、過去形で書く」という点です。
例えば、「私は〇〇を担当しました」というように、一人称で自分の役割や成果を書きたくなりますが、英語のレジュメでは「I」や「my」という言葉を省略し、簡潔に要点をまとめるのが基本的です。
これは、レジュメは自分自身の情報なのでわざわざ書かなくてもわかるため、スペースを省略できるため、などいくつかの理由があります。
誤って、一人称を使ってしまうと、プロフェッショナルさに欠けると思われてしまう可能性があります。
また、基本的に過去の経験は過去形で記述し、現在進行中の仕事やスキルに関しては現在形を使うこともあります。
OK例とNG例
- Managed daily schedules and coordinated with team members.
(日々のスケジュールを管理し、チームメンバーと調整を行いました。) - Greeted customers and served meals.
(お客様を出迎え、食事を提供しました。)
- I was responsible for managing daily schedules and coordinating with team members.
- My tasks included greeting customers and serving meals.
このように、「I」や「my」を使わず、動詞を文頭に置いて簡潔にまとめることが重要です。また、業績や結果を盛り込むことで、文章に具体性を与えるとさらに効果的です。
ポイント:レジュメ/CV内の動詞を工夫する
レジュメ/CV内で使う動詞(Action Verb)も非常に重要です。動詞を選ぶ際には、単なる「did」や「worked」ではなく、「managed」「organized」「improved」のような、行動の具体性を表す力強い動詞を選びましょう。
こちらに、いくつか例を挙げました。参考にしてみてください。
- Did → Accomplished, Completed, Achieved
- Helped → Facilitated
- Made → Created, Developed
- Worked on → Managed
- Responsible for → Oversaw
- Fixed → Resolved
- Talked to → Communicated with
- Got → Secured
- Saw → Monitored
- Showed → Demonstrated
そのほか、履歴書につかえるたくさんの”Action Verb“をハーバード大学のロースクールが紹介しています。
レジュメは第一印象作り、面接で本気のアピールを!
レジュメは、面接のチャンスをつかむための「第一印象」を作るツールです。
採用担当者が求めているのは、応募者のすべてではなく、「面接に呼ぶ価値があるかどうかの判断材料」だけ。だからこそ、レジュメでは自分の経験やスキルを簡潔かつ的確に伝えることが大切です。
レジュメで「この人に会ってみたい」と思わせたら、それだけで成功の半分を手に入れたようなもの。実際の採用プロセスでは、あなたの個性や情熱、本当に伝えたいエピソードは面接で話すチャンスがあります。
そのため、レジュメでは必要以上に自己主張を詰め込むよりも、ポイントを絞って「興味を引く」ことを優先しましょう。
例えば、具体的な数字を使って成果を示すことや、採用先が求めるスキルにフォーカスすることは非常に効果的です。あなたがレジュメに込めた要約された自分を見た採用担当者が、「この人は自分たちのチームにフィットするかもしれない」と感じれば、次のステップに進む確率はぐっと上がります。
覚えておきたいのは、レジュメで完璧に自分を伝えようとしなくてもいいということ。レジュメはあくまで「面接への橋渡し」。面接という本番の場で自分を最大限にアピールできる準備を整えておくことが、採用成功への近道です!
レジュメ/CVのセクション別ポイント!
続いて、レジュメ/CV内のそれぞれのセクション別にポイント、重要な点を紹介していきます。
1. Contact Information:目立つように
レジュメの個人情報欄では、名前を目立つように大きく記載するのがポイントです。
採用担当者は、数多くのレジュメをチェックするため、まず名前を一目で確認できることが重要です。
採用までの流れは、【電話かメールで連絡→面接→(トライアル)→採用】となることが多いでしょう。
連絡を逃さないように、電話番号・メールアドレスは間違いがないように必ず確認しましょう!!
住所については、必須ではありません。特にプライバシーが気になる場合は省略しても構いません。書く場合は詳細な住所ではなく住んでいる「エリア名」だけで十分です。
たとえば、Aucklandなら「Mount Eden, Auckland」などでOK。これは、採用担当者が職場からの距離感をイメージしやすくするためで、多くの職場では近くに住んでいる方が好まれる傾向があります。
- 名前ははっきり大きく記載
- 電話番号、メールはどちらも必須
- 住所はなくても○。書くならエリアまででOK
2. Profile/Summary: 自己紹介で好印象を与える
Profile欄は、あなたの第一印象を決める重要なセクションです。この欄では、あなたがどんな人物で、どのような価値を会社に提供できるかを簡潔に書きます。
ポイントは、応募先の求める人物像に合わせること。たとえば、レストランなら「チームワーク」や「カスタマーサービス」が重視されるため、これらをアピールすると良いでしょう。
- “Experienced server with over 5 years in high-volume restaurants, skilled in providing exceptional customer service and maintaining efficiency during peak hours”
(多くの来客があるレストランで5年以上の経験を持つサーバーです。優れた接客スキルを活かし、ピーク時でも効率を維持することが得意です) - “Detail-oriented and reliable team player, skilled in multitasking in fast-paced environments.”
(細部に気を配り、信頼できるチームプレイヤーで、スピード感のある環境でのマルチタスクを得意としています。)
Profileセクションは1~2文程度で簡潔にまとめるのがポイントです。
- 応募先にあった自己PRを。
- 長くなりすぎず、簡潔な文章で。
3. Experience: “最も重要なセクション”
職歴はレジュメの中で最も重要なセクションです。ここでは、応募先の職種に関連する経験を優先的に書きましょう。
たとえば、レストランに応募する場合は、レストランでの勤務経験を中心に記載し、他業種の経験は省略しても構いません。ただし、職歴が乏しい場合は、無関係の職種であっても、関連性を見つけて書きましょう。
さらに、具体的な数字を盛り込むと説得力が増します。
- “Served an average of 100 customers daily, maintaining high levels of customer satisfaction.”
(1日平均100人のお客様に対応し、高い顧客満足度を維持しました。) - “Trained and managed a team of 5 new staff members, ensuring consistent service quality.”
(新人スタッフ5名の研修やマネジメントを行い、一貫したサービス品質を確保しました。)
このように、具体的な成果や数値を記載することで、採用担当者があなたの能力をイメージしやすくなります。
- 職歴は最重要セクション
- なるべく詳細に、数字を使って具体性をもたせると◎
- 関係のない職種は省略してOK
4. Education: 学歴の書き方
学歴については、Job Requirementsにない限りは、職歴ほど重要度は高くありません。
特に、ホスピタリティ系職は、学歴より経験が優先される傾向にあるので、そこまで意識しなくてもいいと思います。また、日本の私立大学などは知られていないことがほとんどです…。
内容は、大卒であれば高校の情報を省いて、大学名と専攻(Major)のみを記載して問題ないでしょう。在学中でも現在の大学、専門学校等を記載すれば大丈夫です。詳細な説明や、サークル活動などは基本的に不要です。
事務職やオフィスジョブに応募する際はGPAが3.5以上の場合は記入すると加点になる可能性がありますが、それ以下の場合は基本的に不要です。
また、応募先での職務内容に関連するようであれば、学習内容を記載することで評価される可能性もあります。
記載する項目
- 大学名、場所
- 専攻または取得学士
- 卒業年度(在学中ならそのように)
- GPA(3.5以上なら)
採用担当者は学歴よりも実務経験やスキルに注目することが多いため、このセクションは簡潔にまとめましょう。
- 職歴ほどの重要度はないことが多いので簡潔に
- 応募先の分野と関係あれば、内容を書くとGOOD
5. Skills:スキルを具体的にアピール
スキル欄では、応募先の仕事に関連するスキルを重点的に書くことが重要です。たとえば、レストランの仕事に応募する場合は、以下のようなスキルを記載すると効果的です。
- Customer Service: 高い接客スキルで、お客様に満足を提供できる能力
- Teamwork: チーム内で円滑にコミュニケーションを取り、協力できる能力
- Multitasking: 複数の業務を効率的にこなす能力
簡単な詳細を付け加えることで、スキルに具体性を持たせると良いでしょう。
- “Strong ability to engage guests and deliver memorable experiences.”
(お客様と積極的に関わり、記憶に残る体験を提供する強い能力があります。) - “Effective in collaborating with team members to ensure smooth service.”
(効率的にチームメンバーと協力し、スムーズなサービスを確保します。)
- 応募先のRequirementsや、Job Descriptionを読み、必要とされているスキルを挙げる。
- 記載したスキルに対し、簡単にどのようなスキルがあるのか詳細をつける
6. Language:言語スキルは慎重に記載
まず、言語スキル、特に英語レベルは、英語圏でローカルジョブを探す場合にはレジュメ上には必要ではありません。
むしろ、「English: Intermediate」のように書くと、自信のなさが伝わり、採用されにくくなる可能性があります。英語力は、実際の面接で判断されることがほとんどです。
一方、英語圏で仕事を探していて、第三言語(スペイン語、中国語など)を話せる場合は、それを積極的にアピールしましょう。特に多文化な環境や日本食レストランでは、以下のように記載すると好印象を与えられます
- “Fluent in Japanese and English, with basic conversational skills in Spanish.”
(日本語と英語が流暢で、スペイン語の日常会話にも対応可能です。) - “Native Japanese speaker with advanced Chinese proficiency, ideal for international customer service.”
(日本語を母国語とし、高度な中国語力を持つため、インターナショナルなサービスに適しています。)
カナダやオーストラリア、ニュージーランド内の大都市などでは多国籍化が進んでいて、英語以外の言語を話す人が増えているので、第三言語の需要が高まっています。
- 英語圏で仕事を探しているなら、英語はわざわざ書かなくても良い
- 第三言語は積極的にアピール!
さいごに
続いての記事では、履歴書が準備できたあと実際に仕事を見つけるまでの流れについてです。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ご自分の履歴書を書く参考になりましたでしょうか?
ただ、続いての疑問は

レジュメを作ったのはいいけどどうやって応募したらいいんだろう?

面接が決まったのはいいけど、どんなことを聞かれるんだろう?
こんな疑問ではないでしょうか?
次回は、「仕事の探し方と面接対策!」
次の記事、第3部では、「仕事の探し方と面接でのQ&A」について詳しく解説しています!
まだまだ、海外での仕事探しに欠かせない情報が満載なので、ぜひ引き続きチェックしてください!
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